日頃、普通の技術練習をしている時に、個々のメンタルな部分に触れることはあまりない。
例えば、己が、本番に強い人なのか、練習の時にはライオンなのに、いざ、公式戦になるとネズミになって、本領が発揮できない人、沢山いる。
対戦相手に、気持ちでゴリゴリ攻撃してくる人がいると、蛇に睨まれた蛙になってまい、委縮して自分のプレーが発揮できなくなってしまう。
割と多いと思う。
究極にレベル高い大会やリーグ、いつも接戦するような厳しい試合を重ねれば、度胸もつくけれど、これって、どのチーム、どの選手、全員が体験できるわけではない。仮にそのようなレベルのチームに在籍はしていても、常にAチームに、いなければ、中々経験できることではない。
今、そこにいなくても、そこに入れるような努力なら、誰でもできるでしょ?
では、その努力ってどうするの?ということだ。
高校、大学でも真剣に上を目指して活動しているチームは、部員数が半端なく多い。1軍~6,7軍まであると聞く。大学サッカーなんて、1年生~4年生まで卒業するまで、一言も口をきいたことがないチームメイト?と呼べるような関係もあるし、下のクラスに行くと、コーチもまともにおらず、自分達で勝手に練習するようになることもある。そのような環境で、諦める、腐ることは、いつ誰でもできる。
Aチーム、かろうじてBチームにでもいれば、監督、コーチが直接指導するけれど、そこまでに行くには、高いハードルがあるのだ。越えなくてはならない壁があるのだ。
大学は勿論、高校なんかも都道府県でも全国を目指すようなチームには、それ相当のメンバーが集結する。ジュニアユース時代に全国大会でスタメンやっていたような面子とも顔を会わせる訳だ。
そのような面子と競争をするのに、普通のことをしていて、ユース年代になって、そのような面子に勝てると思うか?というお話。
体格、一度その面子のプレーを見ただけで、『俺は無理、勝てない』と思っちゃう人、沢山いる。
強者と同じピッチに立った時、『俺ならやれる!!」と思える根拠をどこで作るか?なんだ。
その強者も日々、上を目指して努力するし、練習しているのだから、そうでない人が、普通のことをしていて、その強者に競争を挑めるか?と言えば、それは難しいよね。
人は、人には嘘つけても自分にはつけない。自分よりも凄い経験をしてきている人を上回るには、それ以上のことをする気持ちと行動がなければ、同じチームにいても、同じ土俵に立つことさえできない。
『俺は日々やっているんだ!!』という厳しい努力をしている根拠を作らなければ、本番で力を発揮するのは難しい。日本人の国民性は、常に勤勉で努力すること。準備をして臨まないと勝てないということが解っている。
海外の自分よりも体格が遥かにあり、身体能力もずば抜けた化け物みたいな人間を相手にする上で、常に、準備。厳しい中で準備する姿勢があるから、トップに君臨できているアスリートがいる。
それをそっくりそのまま、ジュニアユースの世界に遡ってみて。武器を持たずして、強者と、どうやって戦うのか?だ。
まず、厳しい練習に背を向けるのではなく、最後まで立ち向かうこと。今、自分のそばにいる人と自分を比較しても、何もならない。敵や、本当のライバルは、外にいるということを想定して立ち向かうことなんだ。
厳しい練習を最後まで言い訳せずにやり切ったこと。これが自信になり、強いメンタルを作る。このことの日々の積み重ねだよ。
ボール扱いが巧い人なんて沢山いる。でも、実際の本番になったら、それがそのまま発揮できる自分が果たしているか?だ。
『ここまでやって来て、越えているんだ。俺なら絶対にできる』という偽りのない根拠をジュニアユースの3年間で作り上げ、次のステップに行くんだよ。
それをやらないで、自分に言い訳ばかりしていると、本当に強い人と、戦った時にやられてしまう。そこで諦めるのか、目を覚まして、そこからスタートするのか?
このようなメンタルな部分は、何もサッカーの世界に限ったことではないよ。
進む世界によっては、また、そのようなことが試される時がある。
技術の未熟さは、まず、そのメンタルの強化によって変わる。
やりたいことを諦めずにやり抜く事ができるのは、中学生年代から、日々、培ってきた偽りのない努力があること。
これがあれば、途中、苦しいことがあって、凹んでも、また立ち上がるだろう。
「負けない!!」という根拠を学生時代に作らなければ、自分の中には、その精神が養われてないから、自分に嘘をつけないから、肝心な時に、言い訳して逃げることが普通になってしまう。というか、そのこと自体、なんとも思わなくなる。でも、それでも普通には生活はできる。ただ、何か突然、壁がやって来た時にはどうか?ということだ。人生、何があるか日々、判らないから。
だから、若い内に、その精神を養って行った方が良いのだ。
可能性に満ち溢れている中学生。
どうにかして、そのことを気づかせてあげたいと思う。