急遽トレーニングマッチのお誘いがあり、
翌日にリーグ戦が控え怪我人が出てメンバー不足になることが気になっていたのだけれど、新1年生も混ぜながらどのようになるのか?も見たかったので、やらせて貰いました。
狭いコートに8人制、20分ハーフに慣れて来た最近まで小学生をやっていた面子が、
いきなり全てがボール、コートも含めてデカサイズになって、相手も年上で自分より大きいメンバーともやり疲労も、ちょっと前とは違うはず。これも、少しずつ慣れて行くと思う。
今日も全体的に、メンバーの中学生模様が観れたね。試合自体は新1年生のプレー以外はあまり面白くなかったけど、油断、気持ちの弱さ、だらしなさ、この集団の緩さを露呈するという意味では面白かった。だから、結果的にはTRMを受けて正解であったと思った。
よく、どのカテゴリーでも「試合で力を出し切る」という言葉を耳にするけれど、実はこれを実行するのは意外に難しい。
特に小学生や中学生は、精神面に波があり、一々、己をに対して厳しい姿勢というものをコントロールして、試合に臨める人は少ない。周囲にも流されやすいし。
何となくグランドに来て、何となくアップし、ぽかぽか陽気で何やらピクニックでも来たような雰囲気の中、いざ試合に入る者が1人、2人といれば、その空気は連鎖する。大人でも時折そうだけれど、楽で楽しい方に行き勝ちになることもあるし、仕方ないこと。
その雰囲気を、断ち切れる者がいれば、また違うのだが、中々難しいようだ。
公式戦、TRMだろうが、試合は試合。戦いだ。
浮ついた気分でやれるほど、サッカーも甘くない。
スイッチの切り替えが上手くないのは、歴代のメンバーを拝見していても一緒かな。
さっきまでヘラヘラしていたのに、いざ戦いの間際になると一気にスイッチが入り、空気が変わる。
これ、ここ3年間コロナでブラジル遠征に行けてないけれど、
行って同年代のブラジル人と対戦する度にいつも、その違いを見せつけられていた。
もっと遡れば、僕が現役でブラジル人とプレーしている時代からそう感じていて、改めて思う事。
ブラジルの育成年代の選手達はスイッチの切り替えが物凄く早い。彼らはサッカーとなると、全く違う空気になる。
戦いと遊びのメリハリがはっきりしている。
なぜ、こうも違うのか?考えて来たけれど、これは、サッカーというものに対して、そもそも置かれている事情が異なるという事。
ブラジル人にとってのサッカーは=生活に直結する。日本は、U15、いやU18では、殆どがそのまま生活に直結するものではない。
やはり生活に直結するものであれば、スイッチを切り替えざるを得なくなる。
遊びや趣味ではなくなってくるから。
仕事を持っている人が、休暇を取り、バカンスを楽しんだ翌日には、仕事であれば、おのずとピリッと切り替えなくてはならない。
生活に直結してくるからね。
その空気は、プレーぶりにもはっきりと出る。ブラジル人のU15もチームメイト同士、軽率なプレーに関しては物凄く厳しい。
だから、ボールを失った時、ミスった時の切り替えが早く、次の瞬間には奪い返しに行っている。
サッカーを和気あいあいと楽しむのはいいけど、いざ勝負となった時はそうも言ってられなくなる。
厳しさもついてこないと、軸が形成されて行かないの。
メリハリがなくなり、いつも遊んで、緩んでいる感じになる。
それが、面白いことにプレーにハッキリ出てしまうんだよね。
これは相手のレベル、タイプ云々ではなく、気持ちが浮ついていると、足下をすくわれるということ。
それは、何もチャンピオンになるならないというお話ではない。
与えられたチャンス、それは、TRMでも公式戦でも、戦いは戦いだ。
競技の上手い下手の話ではなく、精一杯、今日、懸命にチームのために出来ることがあるでしょ?っていうこと。
油断、油断のオンパレード。TRM、相手は自分達より年下、格下と感じると、
アップも緩んだ雰囲気になる。そのまま、いざグランドに入り、キックオフの笛がなるというのに、 ソックスが下がったまま。下がったままということは、レガスもついてない。それで試合に臨もうとする輩も出てくる。実際の試合が始まると、相手が年下にも関わらず、眠いプレーを連発している始末。ボールを簡単に失うなど、献身的にプレーしていないのは一目瞭然。
正に、ONとOFFの切り替えが全く出来ていないことの典型的なパターンだ。
また、そのことについて、問題なのは勿論本人ではあるが、
その空気を作り出しているのは、仲間でもあるし、その輩達を指導しているコーチにも結局跳ね返ってくるのだ。だから厳しさがないと緩みっぱなしになり無法地帯と化す。中学生年代とはそのようなものである。
中学生のサッカークラブチーム。
日々、好きなサッカーを存分に出来て楽しい。
仲間が出来て、わいわいがやがや、学校以外でも楽しい場所がある。
大いに結構だけど、そんなチームでも、日々、代わる代わる、解決しなくてはならない、指導の材料は山ほどあるもの。平和が一番。何事も問題もなく、こっちが何も言わなくても勝手にやってくれている優等生の集まりならば、指導者なんて必要ない。ジュニアユースクラブなんて必要ないのでは?すら思ってしまう。しかし、そうでない年代だから、必要なのでは?と思うから、やり続けている。
ここは、仲良しこよしサッカークラブではない。
中学生が、これから先、険しい人生を逞しく生き抜いて行くためのフンダメント=基礎を養う場所。それがCOJBの場合は、たまたまサッカーなだけだ。
中学生が、厳しさを知り、己の弱さを知り、責任感の欠如を知り、その中で仲間の大切さを知り、やがて感謝の心を養う。
沢山この年代で失敗して貰い、どう回復していくかも見たい。
そこで無責任な成人になるのか、それとも一本の筋が通った、責任感ある成人になって行くのかは、失敗を露呈して貰わないと判らないこともある。
このような中学生模様を沢山ご紹介したい。