あくまでも海外サッカーに拘り続ける2人のOB。
単刀直入に、この2人の生き様も好きだ。僕も、日本サッカー界からすれば、外様的な存在だから、海外に拘りを持つ、この2人の生き様にはとことん応援したい。
考え方として、日本で誰も注目してくれないから、海外に拠点を移す。そんな輩は全国を探せばいくらでもいる。Jリーグが誰も相手にしてくれないから、仕方なく海外でやってるだけでしょ?って思っている人、沢山いる。
しかし、この2人はちょっとその輩達とは異なるかもしれない。日本で入るレベルではないから、仕方なく海外に拠点を置いているのとは違う。
何が違うのか?といえば、1期生の和崎は、完全な外様ではない。COJBのJr.ユースからは、正に、最初で最後のJユーススカウト入団。中学1年から、神奈川県のセントラルトレセンに選出され、1年~3年まで一度も外されることなく、ずっとセントラルに選抜された唯一のメンバー。
こんなことは、たいして自慢できるものではないけど、COJBのように、県下のトップでもないクラブからこのような場所に選抜されることは、本当に、奇跡的なことだ(笑)
あわゆくば、ナショナルトレセンにまで推薦されるところまで来ていたのだから。
この和崎には、全国区の強豪、青森〇〇高校のスカウトも興味を持って頂いたけれど、兼ねてから、物凄く熱心に誘ってくださった、湘南ベルマーレユースが本当に熱烈なアブコールを下さり、ユース時代は同クラブに在籍したので、僕のような全くの外様タイプではない。
日本のサッカーは、当時は、何々高校、何々大学、Jリーグ、もっと遡れば、日本リーグというレールがあった。和崎は一度は、この道筋に乗ったケースだ。
もしかしして、和崎はCOJBのJr.ユース至上、一番のエリートになったのかも知れない。エリートなんていう言葉は、COJBに取っては、それこそ異国の世界だ。雑草も雑草だから。
そんな和崎は、湘南ユース在籍中にも拘ったのがプロの世界。スカウトしてくれたベルマーレの監督さんは、「和崎を絶対にトップチームに昇格させます」と言って下さっていたが、それは叶わなかった。
彼の同僚は殆どが大学に進学した。しかし、彼は、プロの道を選択した。そんなこんなで、まずは、ブラジルからチャレンジすることで、相談を受けた。ブラジルで挑戦はしたが、条件的に難しいこともあり、ヨーロッパ路線に切り替えた。
色々あったが、ポルトガルリーグのクラブに顔が利く、僕のブラジル人のアミーゴが、現地で彼を受け入れてくれ、彼は、ポルトガルに渡り、シーズン途中ながら、10試合以上に出場し、ゴールも挙げている。
「そろそろ日本のクラブに売り込んだらどうだ?」とアドバイスするも、「いや、ウクライナに行きます」とか、あちこち挑戦の場を求めて行く。そして、ヨーロッパからいきなり南米パラグアイに行き、ここでもリーグで活躍する。
一度は「引退します!!」と宣言したにも関わらず、野球の本場、ドミニカ共和国に行き、いきなり1部リーグで活躍しているという現在。Jr.ユースだから、20代も後半だ。
しかし、己の生き様を、押し通している精神には、敬意に値する。昨年暮れには、韓国リーグの鈴木圭太など、他の海外プロになったOBも含めて、Jrユースのメンバーとガチ蹴りをやり、この和崎に、Jr.ユースの面々、何点奪われたか?だから、題名にある「クレイジースピリット」とは、COJB的には最大限の誉め言葉になる。プロは、日本国内だけではないんだ!!どれだけ名が売れようが、売れまいが、稼ごうがそうでなかろうが、我が道を行くという強い意志が伝わってくる二人だ。
こんな、拘りの強いパイセンがいても良いだろう。人生は一度しかないのだからね。出来る時に精一杯、やれることをやる。決して、間違った生き方ではないし、むしろ人間らしいのではないかな。
和崎ストーリーが長くなったから、鈴木圭太のことが長く書けなくなってしまうので、次回にしよう。
ちなみに、2005年にJrユースとしては、初めて、ブラジル遠征に行ったのだけれど、その時に、同国の名門中の名門、サンパウロFCのU15と対戦させて貰った時、1-13で負けたけど、その1点をもぎ取ったのが、この和崎だった。
試合が終わった後、前々から仲良くしていた、同クラブの監督に「面白い選手いる?」って冗談交じりに行ってみた。そうしたら、「あの得点した彼が、今、直ぐにブラジルに来れるなら、サンパウロFCで面倒みてもいいよ」と言ってくれた。
でも、まだ中2だよ。「卒業したらじゃだめか?」と聞いたら「ダメだね。それなら、他にも良い選手沢山いるから」とはっきり断られた。
でも、世界は面白いなと思った。
だってCOJBみたいな日本のU15で、なにもトップでもないクラブだよ。そのような機会があって、PRしたらその返事だ。和崎が日系人の子供なら、チャンスだったじゃん、なんて思ったものだ。
見て貰う場所、見る人が変われば見方も変わる。
そのようなケースをいくつも見ているので、僕は、メンバーにいつも「諦めるな!!」と伝えている。