前置きになりますが、
これは、COJBを通じてブラジルに挑戦した、又は現在しているプロチャレンジャーとのやり取りを日記にしたものです。
ここでは、選手名、出身地の公表は不要なので掲載しません。あくまでも、選手の考え方、それについて、COJBがどのようなアプローチをして行かなくてはならないのか?を皆さんに参考にして貰えたらと思い、記事にしています。
【夢・目標を持つこと】
それは素晴らしいことです。
しかし、しっかりと地面に足をつけて、目指す必要があります。
(某県出身20才の場合)
彼は、金銭的サポートはないため、自ら働き、費用を貯めて6ヶ月間ブラジルにプロチャレンジしています。そんな彼も、ブラジルでの挑戦は約束的には、あと1ヶ月足らずです。
彼は、今後どうするか迷っています。
彼は、こうメッセージして来ました。
(チャレンジャー以下Cha)
「ブラジル後のことなのですが、プロの世界で勝負するか、日本で力をつけるか今かなり迷っています。迷っている理由があるのですがどっちの選択が将来は大きく成功しているか考えた時に分からなくなります。」
(COJB以下CO)
上記の件だけど、特に、
「どっちの選択が将来は大きく成功しているか」
「プロの世界で勝負するか、日本で力をつけるか今かなり迷っています」
君の言う、「大きく成功」って具体的にどのような成功かね?
サッカー選手として金を稼ぎたいのか?
まず、何のためにそこにいるかだよ。5ヶ月が経過し、何を得たの?
怪我はアクシデントになったけど、君はとうにブラジルに到着した時点では20才でプロの年代だよね?
日本では、毎日仕事をしなくてはならなかっただろうから、ブラジルでは、まずU20で単なる肩慣らし、コンディション調整、毎日バリバリ午前、午後練習で鍛え、さっさと、君の年代、プロテストにいくことが、今回の本筋だったのではないかね?
それが、なぜかプロの年代で勝負しなくてはならない年代なのに、怪我の影響で、U20でいつまでも練習、挙げ句にはU18と、結局、自分と関係ないカテゴリーで5ヶ月サッカーしなくてはならなくなった。
6ヶ月目になっても、自分とは関係ない年下と練習をしなくてはならない状況になってる。
最初のクラブでコンディション調整、後に現クラブに移る時は、君はもう1人の年下日本人選手と一緒に移動ではなく、本来、他の州のプロカテゴリーでチャレンジしなくてはならなかったと思うのよ。
しかし、日本でどこまでやって来たのかは判らないが、やはり、毎日仕事をしていた影響なのか、COJB専属スタッフから聞く最初の評価は、試合感覚が乏しく、ピッチで迷っている感じというのが、1ヶ月目の印象。
その後、「怪我ならやるな!回復させるべき!」と言われても、不安だったのだろう、ボールを蹴り続け、一度もレントゲンを撮らず、怪我治らず。
過ぎたことを今更とやかく言っても、時は戻らないのは解るが、この5ヶ月で、自分がプロとして生活出来るのか?プロでバリバリやれる姿勢があるのか?を知るには、十分過ぎる時間だったのではないかね?
どこでサッカーをするという前に、己が、まずプロになる技術なのか?ではなく、器なのか?を考えなくてはならないと思う。現時点では、中途半端なんだよ。
親のサポートではなく、自ら働いた資金で、挑戦している姿勢は本当に素晴らしい。
汗水垂らして働いた資金で、挑戦している姿を見せているのは、
流石に、俺はこのまま放って置けないのが本音だ。だから、こうしてメッセージしている。
年齢的には、若いし、諦める年齢ではないし、限界まで挑戦して欲しい。
ただ、現実的に、ブランクは埋めなくてはならないのよ。そのようなこともあり、
改めて、「君の夢、目標は?」と聞き、彼は私に言いました。
(Cha)
「やるからには、欧州五大リーグでプレー出来る選手」と。
私は彼に、ハッキリ言いました。夢、目標があるのは良いこと。しかし、それならば、その目標から、逆算して、今自分がなにをしていなくてはならないのか?を具体的に考えなくてはなりません。COJBとは6ヶ月の約束でブラジルにいます。
(CO)
「日本で、ずっと働いてお金を貯めていて、毎日、その目標に到達するための、トレーニングや試合が日本で出来ていましたか?」
(Cha)
「お金は貯まったけれど、満足したトレーニングは出来ませんでした」
最初のクラブで、そのトレーニングを必死にやり、本来は2ヶ月後には、自分の年齢であるプロフェッショナルのカテゴリーで、テストされながら、トレーニングするのが理想でしたが、君は、怪我をしてしまい、治すのに時間が掛かりそれを自ら長引かせてしまいました。
(あまりにも怪我が長引いていたため、周囲はストップを掛けてましたが、焦りがあったのでしょう、現地スタッフの再三なる忠告にも従わず、こそこそとボールを蹴ってしまっていたため、治りを完全に遅らせてしまいました。)
そして、現在、もう残り1ヶ月もない中で、まだ、U20でトレーニングしています。
(CO)
「君の目標(5大リーグでプレーすること)とはかけ離れた生活をしていると思います。本来ならば、君は、少なくともsub23でサッカーをやっていなければなりません。プロの選手とトレーニングしていないとならないのです。君の夢・目標と君の実際やっている行動が、全く、伴っていません。20才になって、このような考えもない青年が、目標に近づくのは難しいです」
サッカーそのものの成長は大前提ですが、目指す上での精神的な成熟は平行して大切です。
彼は、地方に住んでいるため、横浜にあるCOJBに時間、経費含め、練習、面談に参加することは難しい状況にいました。
しかし、夏にこちらが、ブラジルに訪問し、なるべく彼と接し、彼がどのような人物なのか?を知るために、丁度良い機会となりました。
自力で資金を貯めて、ブラジルに挑戦する姿勢は、素晴らしい志しです。どこかで成功して貰いたい。
しかし、現実は甘くありません。
しかし、まだ20才、地に足をつけて、目標に向かって貰いたいし、そうなるために、意識付けをするのがCOJB精神。
甘い言葉より、苦い言葉が、チャレンジャーには似合います。
世界の評価は、残酷で、人情なんてありませんから。