【育成日記】日本の育成の問題点

選手を育てる土壌不足。

東京オリンピックのサッカーの組み合わせも、決まったね。

日本が入ったグループを「死のグループ」と言っているけれど、Bグループ以外は、どれも厳しいグループであることは間違いない。

日本オリンピック代表、親善試合ではアルゼンチンを撃破して、可能性を感じさせたけど、
あれはあくまでも親善試合。
本番は違う。

日本ではやはり、久保君が注目選手として、挙げられるけれど、所属クラブでは、中々チャンスを与えられていない。
彼は日本サッカー界の至宝だ。しかし、10才から注目を浴びて、今日に至るけど、至宝も早くも20才。

レアルに戻るとか、アーセナルからオファーとか、マスコミは、ことある毎に、彼を追い掛け、日本の至宝扱いとして、奉っている。

一方、彼と同期にレアルに入団した、ホドリゴはブラジル代表で、久保と同じ年齢になるが、
そのままレアルに残り、試合に起用されている。

いわば、至宝同士。
ホドリゴも174cmぐらいしか身長はない。

ブラジルの至宝は、彼以外にも、同じレアルで、ビニシウスもいるけど、年齢は変わらない。レアルでスタメンバリバリで出場している。

このような情報はネットで誰でも簡単に拾えるから、ここでその選手達の話をするまでもない。
日本も、久保以外にも、もっともっと、発掘し、育てないと、彼もあっという間にベテランの域に来てしまうよ。ということ。

ここでは、日本の育成の問題点を考えて行きたい。

日本の選手層の薄さは今に始まったことではない。何十年掛かってやっと久保が出てきた。
しかし、久保は、純粋な日本の育成で成長した訳ではなく、半分は海外の血が入って彼の今がある。レアルの下部にいる中井も、一緒。

日本はサッカー選手が育つ土壌がない。
なぜか?育成の最後を教育の場、学校が主流になってしまっているからだ。つまり、高校の部活だ。ブラジルと比較しても仕方ないけど、
ブラジルでは学校でスポーツをすることはない。あくまでも勉強をする場であり、スポーツは、独立した、クラブに行ってやるもの。

日本の場合、中学でサッカーをし、継続する上で全日制の高校に入ってサッカーを続けることが、
ごく当たり前のような流れになっている。

単にサッカーが好きで、高校までぐらいは、サッカーを続けたいと思っている中学生なら、その流れは普通だが、今のレベルはともかく、やるからにはサッカー選手を目指したいと思っている人なら、正直、他にも選択肢はいくつもある。

本題の前に、ブラジルはジュニアからユースまで、クラブや指導者、スカウトマンなど、周囲に関わる関係者の共通した考えは、いかにしてプロ輩出出来るか?

日本は、ジュニアからユースまで、バラバラで一貫性があるようで実はない。
バラバラだから、どうしてもチームで勝つことをステイタスにするしかなくなる。
ジュニアでチャンピオン目指す。
Jr.ユースでチャンピオン目指す。
ユース、高校で選手権に出る。

特に高校選手権。これはメディアがこぞってネタにしているが、この大会に出場すれば、殆んどの選手が、ジヴィジョン問わずプロからオファーが届くなら別。しかし、現実的には、毎年20名プロ入りすれば良いくらいの数だ。
全国8000何百校の頂点に立っても、プロ入りが補償される訳ではない。

高校サッカー自体を否定するのではなく、
日本の育成を、高校サッカーだけに委ねてしまっている、この流れが、育成されていく、若者達の選択肢を狭めていると思っている。

高校サッカー。神奈川県だけでも、相当のチーム数。部員何人抱えてるか?だ。県外の強豪と言われるサッカー部には、300人の部員がいるという。神奈川県でも、相当の部員数を抱えているサッカー部、少なくない。

これは、海外サッカーの世界では、異常な光景だ。

試合会場に行くと、公式戦に出ているメンバーが11人。控えに7~8人座っている。

残りの100人近い部員は、メガフォン持って仲間を応援している。一見、微笑ましい光景だが、

「育成最後の年代U18」という見方に代えれば、
恐ろしい光景だよ。

実際の現場範囲の話だと、Bチームならまだしも、Cチームにもなると、殆んど練習する時間も与えられないと(苦笑)

神奈川県だけでも、どれぐらいのサッカーマンがいるの?
相当なものだよ。人数は。

神奈川県にも、ユースクラブある。
この存在すら知らない人、多い。

サッカー選手になりたい!と思っている人、沢山いる。

高校サッカーがダメと言ってるのではなく、
高校サッカーだけが、ユース年代のサッカー組織ではなく、選択肢が他にもあることに気づいて欲しいと思う。

補欠を沢山作れば、自然に目標も失せる。

つまり、「俺はダメだよ」と諦めてしまう人が、増える、だからサッカーは高校まで。
【燃え尽き…】というやつだ。

これ、日本サッカーの選手層を薄くしている大きな原因の1つだ。
尻窄みというやつだ。資質あるのに、諦める人が一気に増える。

この状況を作り出しているのが、高校サッカーでもある。このことに気づかないで、こぞって、強豪、強豪と言われる高校を勧める、Jr.ユース年代の指導者も、少し考えてアドバイスしなくてはならないと思うんだ。

また、一方、今こそ、ユース年代を持つクラブは、立ち上がるべきだと思うのよ。

神奈川県だけでも、相当、資質ある選手沢山いるよ。また、皆が気づいていない、埋もれそうでも、情熱を持って鍛えれば、プロ入り出来るタレントは、まだまだゴロゴロいるよ。

高校サッカーは、サッカー選手の育成所ではない。しかし、独立したクラブなら、堂々と、サッカー選手の育成出来るでしょ。

誰もが資質を認める選手は、J下部ユースに任せて、街ユースクラブは、眼に留まらなかった埋もれそうな選手をピックアップして、
それ以上にの選手に育てあげれば、少しずつ、高校サッカーと、ユースクラブで、育成が分担でき、プロ輩出の裾野は広がる。

COJBの例になってしまうけれど、
Jr.ユース後、プロを真剣に目指すメンバーは、
中には全日制の高校に通わず、定時制や、通信教育制の高校に通って、プロという夢を手にいれた。少なくても4人は実例がある。

サッカー選手を目指す人は、まず、サッカー中心で、学校を選ぶ。全日制に拘らないものだ。

固定観念に、高校サッカー=全日制があるから、そうなるだけ。

レールに沿った生き方は安全パイだ。

しかし、自らが行きたい道を、自らが行動を起こして道を開いた人は、人間力がある。

数々の壁を乗り越えて、己の人生のレールを自らがが引いて行く生き方も、いいんじゃないかな。

ちょっと話がそれたけど、
育成とは?そのことも含めて育成だと思う。

日本は勿論、この神奈川県にも、夢を持って日々サッカーしている人、沢山いるよ。

しかし、行き着くところが、殆んど、高校サッカーで、そこで、一区切りしてしまうのは勿体ない。

高校サッカー→大学→Jリーグだけの道では、あまりにも、狭すぎる。

若者達の選択肢を広げる行動が必要だと思う。

選手層を作れば、久保君頼りにならない。
次々にタレントが露になる時が来る。

でも、このままでは厳しいよ。

個性あるタレントが、時に、指導者に潰されて、
いつの間にか、棘のない、普通の選手になってしまうケース、勝利至上主義という言葉よりも、
チームの勝利が大前提で、システムを組み、そのチームがしたいシステムのお陰で、
選手、個のカラーを消さなくてはならないなら、育成年代では、厳しいよ。

プロになら別だけど。

日本の育成の問題点はまだまだ山積みだ。

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