【育成日記】地味なことをコツコツとやり、やれるところまでとことん

小さなこと、地味なことをこつこつ続けられる者の集団であって貰いたい。

言葉でいうのは容易だけれど、実際に行動を起こすのは難しい。ましてや、中学生。
言葉の意味は解っていても、そのことが、どれだけ重要なのか?は

実体験を通じて、そのことが本当に大切であるということが初めて解ってくる。

ブラジル遠征に行ったことのあるメンバーでも僅か10日間のブラジル人との対戦で、
ブラジル人選手から伝わってくる技術の高さ、身体の使い方については感じるものがあるようだが、
10日間で、全てを感じるのは難しい。
ただ、少なくても国内で対戦する相手の感覚とは全然違うことだけは肌で感じることは出来るだろう。

仮に何年滞在しても、本当のブラジル人の技術の高さを知り、それを伝える方向に変えていくのは難しいこと。

ブラジル人選手は世界どの国に行っても誰かしらプレーしている。

Jリーグに関しては、J1~J3だけでなく、更に下のリーグにも多くの選手がプレーしている。

何故これほどのブラジル人選手が他の国の選手よりも多いか?という件に関しては
話の道がズレてしまうので、ここではコメントしないけれど、

ブラジル人選手の止める、コントロールする、蹴る、身体を使う技術は本当に素晴らしいの一言に尽きる。
更に、どんなグランドコンディションでも、技術がブレないこと。これも強くインパクトに残っている。

『基礎がぐらい出来ている』と思って18で乗り込んだブラジルだけど、ブラジル人と一緒にプレーしたら
自分がどれぐらい勘違い君だったか、かなり思い知らされ、プロという道が一瞬遠のいたことを思い出す。

トリッキーな技が主流だと思い、それをイメージして、紅白戦や試合て使おうと思っていたけど、そんなもの通用しなかった。
足先のサッカー。そんなのは重心の低い、深い寄せが来たら直ぐに奪われ、あっという間に自分のミスから
ゴールまで持って行かれる。

スパイクが隠れてしまうほどの深い鬼芝や硬く重いボール。自信を持っていたドリブルも、ボールが前に進まず、ドリブルの基礎さえ
異なっていた。

そんな自分でも、3年目にやっと全国の舞台に立つことができた。

「基礎はできている」という大いなる勘違いに気づき、ひたすら基礎、基礎、基礎の繰り返し。

雨でスリッピーな芝のグランドでぐんぐんパスのスピード速く、伸びてくるものを、あっさりとコントロールしているブラジル人選手。
同じようなボールに対して、追いつかずに直ぐにラインを割り、相手ボールにしてしまう自分。

雨の中の練習がたまらなく嫌だった。伸びてくるボールをしっかりとコントロールできない自分に物凄く腹が立った。

ミスをする度に「日本人、この野郎!!」と文句の嵐。フリーでもボールを貰えなくなった。これは屈辱。

何故ブラジル人はしっかりとコントロールできるのか?

足が長い?足の甲が高い?タイミングが違う?色々考え、盗もうとしたが、最初は全く気付かなかったね。

今では小学生や中学生、それ以上の年代にも伝えるのだけれど、ボールが跳ねた瞬間に自分も跳ねて、抵抗を無くして
いけば、絶対にコントロールは出来ると。

出来るようになると、雨の芝、人工芝グランドでの試合が楽しみになる。

全国リーグにもなると、技術の達人みたいな連中の集結になる。とにかくプレーが正確なんだ。

一個のミスが致命傷になることをそれぞれ知っているからだ。

丁寧なのが、そのプレースタイル、プレーフォームからも伝わってくる。

背負ってボールを味方に落とすだけのプレーでも、緻密で正確だ。

観ていて何気ない、ごく当たり前のプレーが、実際に自分がプレーすると出来ないことが多いのがサッカーの世界でも例外ではないけれど、
プロはその一つ一つの技術が大切であることを肌で覚えている。

ヴォランチの選手は特にチームの心臓であり、単純なミスは許されない。関りが多く、限りなくミスが少ない。
しかも、得点にも絡む。相手のキープレーヤーの芽を摘む、これが現在サッカーのヴォランチ像だ。

日本の特に地域の中学生や小学生、また高校生を拝見していても、まだまだ基礎について、正確な技術に対して、特化して
繰り返している感じは受けない。

チームとしての勝敗が優先になっていて、大切な物の忘れ物をしてしまっているような気がする。

チーム練習や試合は勿論大切。いつもやっている試合の質を上げて行くには、基礎を徹底するしかない。

しかし、難しいもので、受けるメンバーが、その重要性を実感しない限り、身につくことはない。

日本人はリフティング好きで、これは沢山練習する。自分もブラジル行く前は沢山練習した。

一人でも気軽に練習できるから。しかし、ブラジルに行ってからは、ブラジル人の前で、リフティングを見せるのが
途中で嫌になったね。

何故なら、リフティングでは自分がブラジル人より上回れるのに、実際のゲームになると、立場が逆転され、
要は、ゲームで何ができるか?ということが目的なだけに、リフティングで評価されても、試合て起用して貰えることにはならない

だから、リフティングの練習は止めて基礎に没頭することに切り替えた。

基礎を繰り返す、ミスが減る、ミスが減るとボールが周ってくる。周ってくれば、己のプレーがアピールできるようになる。やがて評価が上がる。

悪循環から良い循環に変化してくるのだ。

基礎はチーム練習だけで、補えるものではない。

チーム練習ではコーチが意識的にメニューに導入するからやるとは思うが、たかだか2時間の基礎をを週に2回だけ繰り返しても、
短期間で劇的に成長するほど簡単ではない。

毎日、繰り返すこと。これが地道というものだ。誰でも、どこのチームでも基礎はやるからね。

ただ、あまり地道な努力したがらない。

スマートフォンでゲームをしている時間があるなら、
パートナーを探して基礎を繰り返して欲しいね。

人より頭1つでたいなら、人が休んでいる時、遊んでいる時にやらんとね。

試合にたとえ負けたとしても、試合を通じて、上で使える技術を1つでも見せてくれるシーンがあれば、
それは見逃さずに評価したいと思っている。

技術は一生ものだ。是非、見つけて貰いたい。

それにしても最近もう一つ気になっていることがある。

何故、Jリーグクラブが増え、また、更にJリーグ入りを目指しているクラブも各都道府県にあるのに、

高校、大学まではサッカーをするけれど、その後は諦めて更に上を目指さないのだろうね。

チームは明らかにcojbが設立された当初、また、最近なら12年前のU15のクラスを設立した時とは比較にならいほど、
クラブが増えているのにね。

好きは好きなのだろうけれど、それを職業にしてまてせやりたいとは思えない?

また、最近の子達はますます現実的になっているのか、自分の力量を他と比較して、現時点で劣っていると
「俺は無理」と決めて、冷めてしまうとか。

最近まである高校に通っていたOBが大学でもバリバリやり、プロを目指しているというから、練習に参加していたし、
特別に補強練習も施し、少しでもU15のメンバーの前で、正規の練習が終わっても、上を目指す者は
それ以上にやって帰るものだということを目の当たりにして、火がついて貰いたいとも思ってもいたけれど、
「俺も入れて下さい」という者は0だった・苦笑

仮に入り辛い空気があったとしても、本気な者は、なりふり構わず図々しく入ってくるものだと思う。

そのOBに聞くと、彼以外では、他のメンバーの進路は?と聞くと
本気でサッカーで上を目指す者はそのOB以外0と聞いて、正直驚いた。

聞けば、チーム成績や知名度からすればCOJBより上のクラブ出身者も多い。

これには、ちょっと残念に思ったね。

国内リーグに魅力が湧かないということもあるのかもしれないが、確実にJリーグのレベルは昔と比較したら
上がっていることは間違いない。
代表こそ海外組が多いとは思うけれど、国内組の混合で、代表も明らかに以前と比較して安定しているのはよく解る。

折角、OBのためにも、プロの窓口を増やしていても、その窓口を使うこともなければ、窓は閉鎖されてしまうものだ

本気で打ち込めば、あと数か月の間でも変われる。

人間ってやると覚悟を決めたら、行動は変わり、力も変わる。

プロを輩出するということよりも前に、まずは、以前のように本気で目指す者を増やさないとと思う。

ただ、こればかりは人が「目指せば?」っていうものではない。

己が思うものだ。

COJBの終わりなき挑戦はまだまだこれからだろう。

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