育成年代のプレイヤーが、ヘッドホンをつけて歩く、自転車に乗っているのはどうか?
ブラジル名門クラブ、サンパウロFCの育成部長が昔、こんな話をしていたことがあるのを思い出した。サンパウロFCでは、歩きヘッドホンは禁止にしているという。
なぜか?単純に危険だからだ。音量を上げて、音楽を聴いていれば周囲の音は聞き取りにくい。万が一、気づかずに事故に遭遇したらどうしようもない。
サンパウロのユース年代の選手達は、クラブから全てを与えられている。食事、住居、お小遣い、学校、医者の診療費など生活全て。それは厳しいテストをパスした者の特権で、いわば将来の金の卵だ。クラブにとっては宝になる。そんな金の卵に、勝手な行動をされて、一生を台無しにされたら、元も子もない。
もちろん、違反をすれば、給料を受けている選手は罰金、お小遣い程度選手は、厳しい制裁がある。
当たり前のことだろう。
では、日本の育成年代はどうだろう。将来を約束されようがされていまいが、自分のした行動で事故に遭遇した時に、自らが責任を負えるのか?という話になる。
プロ選手がバスから降りて、ヘッドホンを耳にして音楽を聴いて試合前にリラックスしているシーンを見て「格好良い」と思う人も多くいるだろう。しかし、それは、あくまでもクラブのバスの中、通用門から控室に入るまでの時間、決して、自転車に乗りながら公共の道路でしているものではないし、歩いているものではない。全く状況は異なる。
ヘッドホンをしながら自転車に乗って練習に通うことは問題だし、試合に向かう時に電車のホームでもそれは一緒。ながらスマホ同様のこと、危険なのだ。
育成年代で自ら責任を取ることが出来ない人がやることではない。
クラブは何から何まで規則でプレイヤーを縛るという意味では決してない。
世間体とかと言う前に、事故に遭遇してからでは遅い。
この辺も自覚して、行動できれば、またアスリートの考えに近づくと思う。