アジアチャンピオンズリーグ(ACL)
第2戦は大邱FC×浦和レッズ 0-0で引分けで、
鈴木圭太所属の大邱は首位をキープしました。
圭太とマッチアップした浦和のモーベルクは、
スピード、テクニック抜群で、南米の選手をイメージさせ、マークする選手としては、嫌で、怖い選手ではないかな?と思わせる選手。前半こそ、モーベルクに困惑させられた感じはしますが、攻撃を耐えしのぎ、リズムを戻した感じです。
圭太は後半交代しましたが、かなり体力的にも、消耗しているものと思います。
ACL予選ブロックは、タイ、マレーシア、ベトナムの集中開催で、中数日で試合があるため、相当ハードだと思います。しかも、追い討ちを掛けるのは、30度を超える暑さと湿気。
プロの世界、特に、国内リーグのトップクラスのクラブは、国際試合も含めて試合が多く、移動もあるため、タフさが要求されます。
肉体的な強さと、精神力。
プロは、いつも周囲から注目されているので、
弱いところを見せられません。
圭太も、そのような精神力のベースを、
育成年代で、養って来た1人です。
この先は、
ACLの詳細、プロサッカーの話はさておき、
今回は、圭太を通じて、育成年代のお話をもう少しさせて下さい。
一言で言えば、お世辞にも、育成年代で、
エリートとは言えなかった選手が、この舞台に立っていることだけでも、敬意に値します。と、コメントしてますが、もしかすると、エリートロードに入れた逸材だったも知れません。しかし、エリートクラブとはかけ離れたクラブを選択したということです。
ならば、こう考えましょう。
一般的には、例えば「家の息子は、そこそこのレベルを持っている。このレベルを更にアップさせるには、巧い子が集まるクラブに入れないと、質は落ちるのは間違いない、だから、強豪を選択するのは当然」
この考え、決して間違いではないと思います。
しかし、そうでないクラブに入って、プロ選手に辿り着く事ができました。ということは、その間、その選手のクオリティーは落ちなかった、また落ちるどころか、高校で、大きな評価を貰うことが出来た。 これは、圭太の例ですが
彼に、3つ上の先輩で、一足早くプロになった和崎の例を挙げるならば、彼の年代は、同年代がピッタリ11人。もっとエリートコースからかけ離れています。しかし、湘南ユースからオファーを貰い、ユース年代は湘南ベルマーレで過ごしました。それはもう、スカウトは彼を獲得するにあたり、かなり熱心でした。
彼は、本来ならば、もっと強豪に行ける力があったと思っても、彼は、COJBを選択して、COJBには稀なケースで全ての年代で県トレに選ばれ、ナショナルに推薦しても・・・というくらい評価が上がりました。
ということは、この間、COJBに在籍していても質が落ちることなく、むしろ上がったと言っても過言ではないと思います。なにせ、小学生時代は名門ジュニアチームに所属していたものの、トレセンという話は無縁であったようです。
しかし、彼も、「県リーグでトップでないと、質が落ちる」ということを見事覆していると思います。
今回、圭太の対戦相手の浦和レッズには、柏レイソルの生粋のエリート、日本代表、酒井宏樹選手もいる中で、その同じ舞台にいる訳です。
エリートのレールのまま、成功しているのが、
同選手だとして、エリート街道とはかけ離れた道を歩んで来た圭太が、
経緯や、経験値の大小は違えど、同じ舞台に立ったことは間違いありません。
ただ、ここ数年、ずっと考えて来ました。
頑張って来たOBのお陰で、
COJBのような、街クラブで、無名の小さなクラブでも、プロ選手は輩出されるものなんだなと改めて確信出来ました。
しかも1人ではなく、Jr.ユースだけで、
8名国内外で輩出されたので、過去のU23カテゴリーを含めれば20名以上が、子供の頃からの夢を叶えていることになります。
地域の、より優れが選抜されたクラブでなくても、プロ選手は誕生することを、
メンバーが証明してくれました。
指導者側の選手へのアプローチとすれば、
唯一、自分を信じて前向きに、諦めないことを伝え続けることです。
現時点で誰も見向きもしてくれなくても、
強く想い、行動すること。
雑草が、エリートと同じ土俵に立っていることは、
現時点で、目立たなく、
どこにも選ばれたこともない選手からすれば、
どれだけ、可能性が広がるでしょうか?
強豪クラブ所属=プロ選手により近づく
この一般的な常識めいたものを、見事に
覆してくれています。
どれだけの、これからの育成年代の夢を見る子供達に勇気と希望を与えられることでしょうか?
大半の子供や、親御さんは、
「俺はサッカーエリートじゃないし…」
「家の子はエリートでもなんでもないし…」と
思っていると思います。
しかし、エリートである必要性などないのです。
育成年代、特に、中学生からは、
どのクラブに所属した…ではなく、
その三年間、どう中身を詰め、基盤を作るか?が最も重要です。どのクラブからでも、
夢は叶うハズです。
中学生年代のトレセンの目的として、
「日本サッカーの強化、発展のため、将来日本代表選手となる優秀な素材を発掘し…」と謳っています。
このような目的ですから、子供も、保護者も、
トレセンにパスしない=俺はダメ、家の子は無理
と、決めつけて、諦めムードになり勝ちです。
強豪クラブの内定が貰えなかった。
ならば、部活でいい。わざわざ金出して、クラブチームに通う必要はない!と、見切りをつけてしまう親も存在すると聞きます。
Jr.ユースセレクションも今や、子供や保護者にすれば受験感覚のようです。
強豪クラブの内定を貰えば、ホッとし、
受験戦争に敗れれば、「もう諦めろ!」となる。
小学生から中学生へ上がる段階で、
どこの指導者、保護者が、その選手の将来を見越せますか?と思うのです。
この年代へのアプローチ、役割としては、
諦めさせることよりも、希望を持たせることの方が、よっぽと重要でないか?と思うのです。
夢を叶えたメンバー達に共通点があります。
それは、人の言いなりではなく、
常に自らの意識で、行動を起こしていると言う点です。
もちろん、周囲のサポートあってのことですが、自ら行動を起こしています。
主体性を持って行動しています。
また、周囲のサポーター、特に保護者が、
過干渉せず、例え、子供が外で失敗しても、
我慢し、本人に考えさせ、解決させることです。
これが、後の自らの判断力に繋がります。
これは、プロになるならないは関係なく、
大人になる上でも大切なことだと思います。
これが、共通点です。
もちろん、ただ、希望を持たせても、
これらがなければ、ただ、指を咥えて、
待ってるだけになりますから、
そこは、周囲の指導な必要ということです。
一般的には、「ここに入れば、巧くなる。プロに近づくだろう」と思っている人は多い。
青森山田のように、選手権に出て活躍すれば、
プロからオファーがある。だから…と考える人、多いと思いますが、選手権、全47、48高校が出場し、そこからJリーグから内定を貰っている選手、一体、何名存在すると思いますか?
あれだけ選手が出場して、20名前後です。
では、いれ以外の高校やクラブからプロからオファーはないのか?と言えばそれはなく、
選手権に出場してないチームからも、プロ内定者は、多くいます。要は無名、有名は関係ないと言うことが解ります。
本人の強い意識と、その環境での過ごし方が、大切なのです。
前述しましたが、強豪=プロに接近する。
ではないのです。
確かに、サッカーをしている子供達の全てがプロを目指しているものではないと思います。
しかし、サッカーをやってる子の大半は、
「今よりも巧くなりたい」
「せめて、高校年代まではサッカーしたい」
「試合に出たい」
つまり、今より、向上したいと思っていて、
だから、Jr.ユースの何百人も参加するセレクションに応募するのではないでしょうか?
「お試し受験」「記念受験」なんていう声もありますが、強豪クラブに入ることがステイタスなのではなく、いかに、大切なこと、
中学生年代で学ぶべきものを養えるか?が、大切だと思います。
小さな街クラブからでも、本人の意識、意思が強ければ、行動が伴い、プロに近づけるということです。
鈴木圭太や吉野裕太郎、宮部大己が、
先頭を切って、それを証明してくれていると思います。
視野を変えれば、また観る景色も変わります。
現時点での評価や実力を悲観せず、
前を向いて歩んで下さい。
必ず、君に、真剣に、向き合ってくれる環境に出会えると思います。